AI検索に引用されるには

精神科・心療内科の記事24本について、実際にGoogleで検索し、 AIの回答に引用されているものとそうでないものを比べました。 その結果から、記事の書き方をまとめています。 24本という数ですので、断定できるものではありません。傾向として、参考程度にお読みください。

出どころの表示について。 実測実際に検索・計測して確認した数字 引用ページに書かれている文をそのまま写したもの 推測そう見えるが、確かめていないこと

記事の書き方

1〜3は、AIに引用されるための形です。4は性質が違うので、後ろに理由を書いています。

1

見出しを、患者さんが口に出す質問の形にする

こう書く 睡眠障害は何科を受診すればいいですか
睡眠障害について ← 何の答えなのか分からない

引用引用されていた阪野クリニックの記事は、見出しが「睡眠の悩みは何科に行けばいい?」でした。

2

見出しの直後に、一文で答え切る

背景の説明はその後で構いません。AIが抜き出すのはこの一文なので、ここだけ手をかければ足ります。

こう書く 結論から言うと、まずは精神科・心療内科の受診をおすすめします。
睡眠障害には様々な要因が考えられます ← 答えになっていない

実測「〜については様々な要因が考えられます」という書き出しの文が引用されていた例は、24本の中にありませんでした。

3

その答えの中に、数字か基準を入れる

こう書く 2週間以上、ほぼ毎日続いている場合
しばらく続くようなら ← 抜き出せる形になっていない

引用引用元として表示されていたここあすクリニック市ヶ谷の説明文には「DSM-5(米国精神医学会の診断基準)では、うつ病の診断に『2週間以上、ほぼ毎日続…』」とあり、基準の名称と数字が併記されていました。

4

そのクリニックでしか書けない情報を入れる

対象年齢、診療の曜日、初診の流れ、保険の扱い、医師の考え方などです。治療法そのものの説明はどのサイトもほぼ同じ内容になりますが、この部分は施設ごとに違うため、書けば内容が重複しません。

睡眠科という標榜があれば良いですが、国内では許可されていません

阪野クリニック

推測これが引用されやすさにつながるかは、確認できていません。AIが実際に抜き出していた文は、どれも一般的な内容の答えでした。1〜3が「引用される形を作る」のに対し、4は「引用された記事を開いた人が、他院との違いを読み取れるようにする」部分だとお考えください。

あわせて:症状ごとの行き先を、自院の範囲外も含めて書く

実測引用された19本すべてが、3種類以上の診療科名に触れていました。例外はありません。最も多いページは9種類(内科・心療内科・精神科・耳鼻咽喉科・脳神経内科・小児科・児童精神科・睡眠外来・歯科)でした。

大きないびき、日中の眠気が問題となる病気で困っているときは、内科、耳鼻咽喉科の医師に相談することを勧めます

阪野クリニック(内科)

推測症状ごとに実際の行き先が書いてあると、AIが「この症状ならここ」という形で使いやすいのだと思われます。ただし、これが引用の理由だと確認できたわけではありません。

なお、上の「3種類以上」は診療科名が本文に出てくる回数を機械的に数えたものです。そのすべてが「そちらを受診してください」という案内かどうかまでは、詳しく読んだ6本でしか確認していません。その6本については、いずれも自院の範囲外を明確に案内していました。

分量について
実測引用されたページの文字数は中央値で4,386字でしたが、869字・1,249字・2,260字のページも引用されています。長さは引用の条件になっていないので、そこまで気にしなくて大丈夫です。1テーマ1,500〜3,000字あれば足ります。

今回の4つのテーマについて

ご相談いただいた順に、それぞれ実際に検索して現在の状況を確認しました。

1)睡眠障害は何科か

引用この質問へのAIの回答は、現在こう始まります。
「睡眠障害でお困りのときは、まずは身近な内科やかかりつけ医を受診して問題ありません」

実測検索5位に入っていた内科クリニックの記事には「『睡眠薬は精神科でしかもらえない』と思っている方がいますが、これは誤解です」と書かれていました。

入れるとよさそうな内容:症状ごとの行き先を、自院の範囲外も含めて正直に書くこと。いびきや無呼吸なら耳鼻咽喉科、身体の病気が疑われるなら内科、というように。そのうえで、精神科でなければ扱えないのはどこからか、を書く形です。引用されていた記事はどれもこの作りでした。

2)子どもの精神科・森田療法

実測「中学生 不登校 森田療法」の検索では、神奈川県の1院が「森田療法外来(児童思春期/成人)」というページで1位でした。

引用同じ検索のAI回答には次の記述があります。
「治療の性質上、ある程度『自分の症状を客観的に見つめる(自己洞察)』の力が必要です。そのため、一般的には高校生以上(思春期後半〜大人)に向いているとされています」

入れるとよさそうな内容:対象年齢、診療の曜日、初診の流れ、保険の扱い。森田療法そのものの説明は他院のページとほぼ同じ内容になりますが、この部分は施設ごとに違うため、書けば重複しません。中学生から診られる場合は、上のAIの記述と食い違うことになるので、その理由もあわせて書く必要があります。

3)大人の発達障害

実測上位9件のうち、クリニックの記事は2件でした。残りは就労支援企業(LITALICO・Kaien・ウェルビー)と政府広報オンライン、済生会です。4つの中でもっとも他業種が多いテーマです。

実測上位に出ていた記事のタイトルは「相談できる窓口は?仕事の支援についても解説」「無料の相談先と働き方の選択肢」「相談窓口や支援制度」など、いずれも相談先・支援制度・働き方についてのものでした。診断や治療を説明した記事ではありません。

推測この質問で検索する人の関心が、診断そのものより「どこに相談するか」「これからどう働くか」に寄っているため、その領域を扱っている就労支援の事業者が上位を占めているのだと思われます。

実測上位に入っていたクリニックの1つは、「先延ばし」「ケアレスミス」「片付け」のように困りごとを1つずつ記事にし、それを一覧にまとめるページを持っていました。

入れるとよさそうな内容:「大人の発達障害とは」という大きな見出しでは競合が多いため、困りごと単位に分けるほうが現実的です。診断がつくとどうなるか、受診の目安、といった医療側からしか書けない内容であれば、就労支援の記事とは扱う範囲が変わります。

4)心の病・早く受診することの大切さ

実測引用元は個人クリニックと医療情報サイトで、公的機関は含まれていませんでした。

引用AIの回答には「気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続き、日常生活や仕事に支障が出ているときが受診の目安です」という記述がありました。

入れるとよさそうな内容:受診の目安を数字で示すこと(「2週間以上」「ほぼ毎日」など)。目安を数字で書いているページが実際に引用されていました。

調べて分かったこと

上の書き方は、次の結果から導いています。

調べた方法

この領域は、個人クリニックの記事が引用されている

実測「睡眠障害は何科を受診すべきか」の検索結果は、1位から8位まで8件すべてが個人クリニックの記事でした。大手の医療メディアも公的機関も含まれていません。

実測「心療内科と精神科はどっちに行けばいいか」「休職の診断書は初診でもらえるか」でも、AI回答の引用元と上位ドメインはほぼすべてクリニックの記事でした。

実測ただし例外もあります。「いつ受診すればいいか」の検索では、ユビーという医療情報サイトが引用元の筆頭に出ていました。クリニックだけが引用されるわけではありません。

記事の長さや表の有無は、引用と関係していなかった

実測24本の日本語文字数です。

本数中央値最短最長
引用されたページ194,386字869字12,238字
上位に出たが引用されず55,753字3,987字6,121字

実測引用された側のほうが中央値で短く、4,000字より短いページ9本は、すべて引用された側でした。

実測表を使っているページは、引用された19本のうち10本、引用されなかった5本のうち4本です。表の有無で差は出ていません。

引用されていたのは、質問に一文で答えている箇所だった

引用AIの回答が実際に抜き出していた文です。

かかりつけの内科でも受診・睡眠薬の処方が可能です

阪野クリニック(3,052字・表なし)

結論から言えば、内科でも睡眠薬は処方できます

ゆうしん内科

気分の落ち込みが2週間以上ほぼ毎日続き、日常生活や仕事に支障が出ているときが受診の目安です

ここあすクリニック市ヶ谷ほか

推測いずれも質問に対して一文で答えを言い切っています。ただしこれは引用された文を読んで気づいた共通点であり、統計的に検証したものではありません。

この資料で確認できていないこと

  • ChatGPTでは調べていません。GoogleとPerplexityのみです。引用の傾向が異なる可能性があります。
  • 各質問を1回ずつ実行した結果です。同じ質問でもAIの回答は変わります。実際、同じ検索を翌日に行ったところ、回答の文言が違っていました。
  • 「引用された/されなかった」の区別は、実行した回によって入れ替わります。1回目に引用されなかった2本が、別の回では引用元に出ていました。
  • 「一文で答えている箇所が引用されている」は、引用文を読んで気づいた共通点です。統計的に検証したものではありません。
  • 調べた記事は24本です。傾向として読むには足りますが、細かい要素の有無まで断定できる数ではありません。